42

洋画「42」を深夜一人で観た。
1940年代後半、メジャーリーグ初の黒人プレイヤー、ジャッキー・ロビンソンの実話に基づいた映画。
南アフリカを舞台にした「遠い夜明け」や若きデンゼル・ワシントンの代表作「マルコムX」やスピルバーグの「カラーパープル」、最近ではちょっと作風が違うが「ジャンゴ」等、黒人人種差別を扱った秀作が好きだ。
まさに出る杭は打たれ、そこをどう突破して自己実現に至るかがテーマなのだが、そこには必ずといっていいほど、白人側に「人間らしい」味方が存在する。「42」ではその存在感をハリソン・フォードが老いてこその役柄を見事に演じきっている。

野茂、イチロー、松井、田中、等々皆、ジャッキー・ロビンソンがかつて所属したニグロ・リーグならぬ、いわばイエロー・リーグの勇者だが、野茂、イチローあたりまでは迫害すれすれの仕打ちがあったのでは、と想像する。特にイチローのマリナーズ時代には、不利な審判、ひたむきゆえに孤立化し、チームメートからいじめ未遂事件など、不穏な噂が絶えなかった。
野球ファン/関係者の誰もがイチローの成績について(当たり前ではあるが)賞賛するが、王はかつて、異なる人種の中でよく頑張ったというねぎらいの言葉をかけていて、イチローも、さすがに王さんは見ているところが違う、と姿勢を正したコメントを残していたのが強く記憶に残っている。
そうなのだ。王は台湾出身の、いわば日本人にとっては外人だったのである。

自分は70年代から90年代にかけて、留学時代も含めてよくアメリカに行ったが、留学時代に出会った先輩日本人ミュージシャンは「白人専用トイレ」「有色人種専用入り口」などの公式な差別をきっちり体験している世代であり、その類の話のとげとげしさは本などによる情報をはるかに凌駕していた。
ヒスパニック系の友人の奥さんが黒人で、たまたまレストランで彼女と食事をしているだけで、少し離れた席から年配の白人グループから、ブラックとイエローが何を食って何の話をしてるんだか、と聞こえよがしに話をしている、なんていうレベルのエピソードは鼻くその数ほど体験した。

日本人であることや肌の色を意識し、誇りに思うところまで考えが及べば、かえって肌の色の違いや自分と異なる人種に対して、そのルーツやアイデンティティやヒストリーやプライドも含めて、理解が一層深まると信じている。
ましてや自己実現のフィールド内にいるカラフルな人々は皆同じ志を持ったチームメイトなのである。

「世界平和」に至る道もまたその意識、認識しかない、とごく普通に考える。
同じ地球に所属するルームメイト。チームメイト。





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by DAIROBARIBARI | 2014-04-18 04:05 | 大ARY  

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