二度ある事はサンドヴァル(byエリック宮城)

年末のピンクボンゴ・クリスマスツアー、熱帯JAZZ楽団のカウントダウン、故・モヒカーノ関さんのメモリアルライブ、私のもうひとつのユニット、クロスカウンターの初ライブ、サンドヴァルを迎えたブルーノートジャズオール☆ビッグバンド等々、怒涛の年末年始が終わってメディカルチェックを受けたら案の定芳しくなかった。
カウントダウンなんかボーモアのロックの飲み吹きを夜通しやったし、そりゃ自業自得なのだ。

サンドヴァルとの共演は10年ぶりに近いかも。
斑尾高原ジャズフェスティヴァルでサンドヴァルのオーケストラをはじめ、かなりたくさんの海外招待バンドが豪華にラインナップされていたが、熱帯ジャズ楽団も出演した。
指名制の交流試合が特別企画で催されたが、自分は昼食中に伝令が来てサンドヴァルに呼ばれた。
メシが終わったら行きます、と伝えたら伝令が血相を変えて戻ってきて、「オレのオファーを断るつもりか」と激怒しているという。もちろんサンドヴァルをはじめ、実行委員や熱帯に迷惑をかけたくないので、急いでサンドヴァルの楽屋に到着すると、彼はとても不機嫌で、尊大なオーラと威圧感で挑発してきた。
「やっと来たか。よし。おい!お前!ジャイアントステップスでもやるか?」と切り出してきたので、ピクっ!となり、「あ~、いいですよ。でもそれヤリ飽きたのでA♭キーでやりませんか?」と返したら、みるみるサンドヴァルの表情がこわばっていった。してやったり。ハッタリかましただけなのだ。持ち替えが出来るサックスプレイヤーならピンとくる技だ。
なんだかみるみる小さなオヤジになり、結局「わかった…じゃあ、チュニジアの夜でもやろう」となった(笑)

ステージでは例によって彼はいろいろパフォーマンスを繰り出すのだが、オレの番になり、
ソロの終盤でマイクを握り日本語で唄った。
「チュニジアーの夜~♪チュニジアーの夜~♪チュニジアーの夜~♪冬でも暑い~♪」
数千人の観客がドッと沸いて全部もっていったのは言うまでも無く、しかしサンドヴァルはわけがわからず、微妙に不機嫌そうだった。オレの勝ち(笑)。

そんな経緯があったので、今回はなるべく存在感を消して仕事にのぞんだ(笑)。

運よくリハーサルにも彼は姿を現さなかったし、2デイズのうち初日のバリトンの席は違う人だったし、当日はなるべく楽屋では目をあわさず、すれちがわないようにつとめた(笑)。
また、ファーストセットでは、予定されたバリトンソロはたまたまアンコール曲で、これがまた、サンドヴァルの調子と都合でカットされたため、目立たず地味にアンサンブルに徹して事なきをえた。
しかしセカンドはサンドヴァルをはじめ、全員のソロも有りアンサンブルにも熱がこもり、会場全体がノリノリでスリリングで結局は楽しいコンサートになった。

サンドヴァルのトランペットは普通に吹いても現在世界最高の金メダルレベルだし、パフォーマンスのスイッチが入っても、他の追随を許さないようなハイテクニックに裏打ちされた見事なものだ。トランペットでバストロンボーンのような音域までコントロールするし、スキャットはエレベーの如く、ピアノもティンバレスもゴキゲンだ。
あらためて敬意を表する。オッサン、素晴らしいよ。

余談のようで余談ではないが、オレの心の中での今回の最優秀ソリスト賞は、小池修。
難曲を圧倒的なスピードとアイデアと音色で飛ばしに飛ばしてリハ~本番通じて一度も流したようなプレイをしなかった。敬服する。

というわけで、サンドヴァルとはお互いに生きている間にもう一度お手合わせをお願いしたいと思う。
サンドヴァル自身、終演後楽屋で皆の前で「この場所このメンバーでまたやりたい」と言ってくれたし、楽しみにしている。

二度あることは…

おあとがよろしいようで。









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by DAIROBARIBARI | 2014-01-10 12:40 | 大ARY  

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