失敗は財産

エリックEMバンドin長野の僅かな間隙を突いて昨日はレッスン、今日は埼玉吹奏楽祭
第38回東部支部吹奏楽研究発表会の講評&ゲスト演奏で久喜総合文化会館大ホールに
行ってきた。
殆どが中学のブラバンで20校ほど。
講評の仕事なんて初めてのことなので勝手がわからず、なにやらハスに構えて小難しいことでも
言わなにゃならんのかな、と始まるまで若干気が重かった。
ところが本番が始まったら、霧に覆われていた耳と目と心はまたたくまに晴れていった。
オープニングの子供達の演奏は極限状態の緊張からなのか、音はまともに出ず、トータルにお世辞にも良いとは言えず、また他の中学もフォルテでは何とかなってもピアニシモで楽器を操縦できず四苦八苦していたり、また逆に奏法が安定していて打楽器チームとのバランスが絶妙なバンドも有ったし、第五福竜丸の事件を元に政治性のアピールが真摯に響く高度な演奏力のあるチームも有った。
ダメダメなのも素晴らしいのも含めてビンビン伝わってきて、もう既に涙でボロボロだ。
その後も団員がパーカッションに持ち替えたり、踊ったり楽しさ満載のユニットもあるし、
やはりここでも和泉宏隆氏の「宝島」も登場して嬉しかったし、と思えば、
パフォーマンスに走らない「吹奏楽の良心」ともいえるマーチ系のスタンダードに徹している
学校もあり、とても爽やかだったし、熱帯JAZZ楽団のファンだという最後のクラスの演奏では
マイケルジャクソンのドントストップ~に於けるオレのソロをコピーしているバリトンサックスの
スタンドプレーが微笑ましかった。

彼等の演奏を見て、自分の原点を見た。
そうだったな。
40数年前、全てはここから始まったのだった。
失敗の挫折感、孤独感、恐怖心。
全員で共有する達成感
ソロで上手くいった時の優越感。
上手いソリストをそっと見上げる劣等感。

演目全てが終わり、
鈴木先生の講評はアンサンブルについてやんわりと手厳しい内容(もちろん的を得ている!)
秋山先生の講評は楽器の技術的なアドバイスをされていた(これも正しい!)しかもその後の
クラリネットソロも落ち着いていらして素晴らしかった。

自分の番になった時、これはもう紹介されたらすぐ演奏するしかないな、と袖から
ゆっくり吹きながらセンターに進んだ。
ひとしきり演奏を終えると、
「失敗しても大丈夫」なことを伝えた。
天下のカーネギーホールでクラリネットソロのピークで痛恨のリードミスを犯し、
以後トラウマで手が震えて楽器が持てない時期もあったけれど、今はこうして
熱帯JAZZ楽団やエリック宮城EMバンドの様な第一線の仲間と一緒に元気に音楽人生を過ごしている。
ブラバン時代もプロになってからも、
中学生の皆と同じように、懲りずに失敗を重ねてきた。
でもその度に自分で立ち直り、手を貸してくれれば捉まったし、
誰かがミスしたら、帳尻合わせてゴールに向かったのだ。

高校に大学に進学しても就職しても
失敗の度に自分で立ち上がり、誰かに助けてもらい、
同じ目に合っている人がいたら助けてあげればいい。
この経験は必ず生きる。

失敗は財産だと思うんだ。その財産を活用できれば次の扉の鍵になるのだ。
そのまま何もしなければ、ただの失敗のゴミの山のままだ。

今日は自分の原点を確認し、前向きにさせてくれる有り難い仕事だった。
紹介して頂いた花咲徳栄の川口先生、今回知り合った鈴木先生、秋山先生、
松原先生、岸先生、そして無名戦士の中学生諸君に心から感謝したい。


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by DAIROBARIBARI | 2013-06-10 02:34 | 大ARY  

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